１９５９年

島の中学校は町の南のはずれにある。

学校の校庭の隅にポツンと鉄棒がセットされていた、

高さ２メートル、幅２．４メートル結構本格的な鉄棒だった。

鉄棒に隣接して５メートル正方形の砂場もある。

 

休み時間に鉄棒にぶら下がってよく遊んだ、

逆上がり、小車輪、大車輪・・・懸垂。

 

大車輪は体を伸ばして鉄棒を中心に大きく回転する技

これはできないから、小車輪をみんなでやった

小車輪は腕を伸ばさないで、鉄棒に体を近づけた状態で回転する技

最後は勢いよく手を鉄棒から放して砂場に飛ぶ。

 

 

スリルがあって危険な技だけど、島の男たちは競い合ってやったもんだ。

１年に一人は、鉄棒から手を離すタイミングを誤って、

グランドに頭から落ちて気を失う一歩手前で悶え苦しむ

落ちるとみんなで冷やかされ馬鹿にされて笑われる。

僕は一度も落ちなかった・・・

 

懸垂は誰でも知ってるよね、

鉄棒に両手でぶら下がって、腕の力で体を持ち上げる運動

軽く２０回はできてた・・・

 

２０１４年

７月の晴れた午後の芝公園。

中年の男性が、鉄棒にぶら下がっていきなり懸垂を始めた。

１回、２回・・・１０回やった

僕も真似して鉄棒にぶら下がった・・・が１回もできなかった

 

島から出て５０年が過ぎてる、齢を重ねた、仕方がない

と一瞬思ったが、心の中で炎がめらめらと燃え上がる

 

８月から毎朝鉄棒を始める、

２か月が過ぎて、懸垂１０回出来るようになった

胸と腕に筋肉がついた・・・うれしい

 

Ｗａｙ　ｔｏ　ｇｏ！

 

呼吸法で健康になりましょう、朝起きたら３分間丹田で息を吐く。

 

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